所有している土地に建物を建てたい方や、土地の購入を検討している方にとって、どのような工事をしようか悩むことでしょう。
ましてや高低差のある土地や斜面の土地だと、安定して建物が建てられるか不安です。
そこで必要なのが擁壁(ようへき)工事で、斜面を安定させてくれます。
本記事では擁壁工事の概要と、工事の種類や費用について解説するので参考にしてみてください。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら土地の擁壁工事とはなにか?
まずは基本情報として、土地の擁壁工事とはなにかについて理解しましょう。
基本情報を理解しておけば、擁壁工事がどんなときに必要なのかがわかります。
擁壁工事が必要になると、自治体に申請する義務があるので注意してください。
概要
土地の擁壁工事とは、高い所にある土地が低い土地へと崩れないようにする工事です。
擁壁がないと土地の強度が弱くなり、建物ごと崩れてしまう恐れがあります。
高低差のある斜面でおこなわれる工事ですが、自然にできた土地だけではなく、人工的に作られた土地も同様です。
人工的な作業については3つあり、盛土・切土・埋戻があります。
盛土は土を盛る作業、切土は土を削る作業で、どちらも斜面を平らにするのが目的です。
埋戻は工事で使われた余分な土を埋めることで、掘り起こした場所に戻します。
擁壁工事が必要になる土地
擁壁工事が必要になる土地は、高低差があるケースです。
よくあるのはひな壇のように階段状になっている土地で、どうしても擁壁工事が必要になります。
階段状なので土地が道路より高かったり、周辺の家よりも自分の家が低いことがあるでしょう。
とくに日光が差す方向に土地の高い家があると日当たりが悪くなるので、階段状の土地だと周辺の土地より高くする必要があります。
通風や眺望が良くなり、開放感のある住環境で過ごせるでしょう。
基準となる条例
擁壁工事には「がけ条例」があり、各自治体が定めています。
内容は高低差が2mを超える土地に建物を建てるとき、自治体に申請しなければならない条例です。
人間の身長が2m以下なので、見た目で2mを超えていると感じたらすぐに自治体へ申請してください。
申請の許可が下りるまで1か月はかかるため、早めに行動しておくと建築がスムーズです。
土地の擁壁工事における種類
擁壁工事の擁壁にはさまざまな種類があり、特徴が異なります。
どのような違いがあるのか、確認してみましょう。
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリートは擁壁工事で採用率が高く、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
名前のとおりコンクリートだけで支えているのではなく、支柱となる鉄筋を入れて強度を上げています。
特徴としては見た目がすっきりしていて、垂直加工ができるのがポイントです。
また、土地の形状に合わせて擁壁を作れるので、強固な土地を形成できます。
たとえば逆T字式やL型の擁壁を作れば、根元がしっかりと固定されて用地の確保がしやすいです。
他にも山岳だと高低差の高い土地にむけてもたれかかるようなもたれ式もあり、自立はしませんが斜め上からの圧力に耐えられる構造になっています。
鉄筋コンクリートは柔軟性が高いので、よく使われている工法です。
ただし、後述するコンクリートブロックや石積みの工事よりも、コストが高くなります。
コンクリートブロック
コンクリートブロックは住宅だけではなく、高低差が大きい箇所で採用されている擁壁工事です。
具体的には河川の周辺で多く見られ、高さやデザインを工夫できるのがポイントになります。
統一性があって見た目がきれいなので、人気のある工法です。
また、空積み式擁壁や練り積み式擁壁などがあり、積み方を選べるのが魅力になります。
他にも並べ方は多種多様で、布積みや矢羽積みなどがあるのが特徴です。
強度に大きな差はありませんが、家の雰囲気に適した工法を選ぶと良いでしょう。
石積み
石積みは日本のお城で採用されているイメージがありますが、住宅でも採用可能です。
とくに築年数がかなり経過していて、古風な住宅で見かけたことがあるのではないでしょうか。
石積みには空石積み擁壁と練り石積み擁壁の2種類があり、どちらも特徴が異なります。
空石積み擁壁は大きな石の間に小石を入れて、上にどんどん積み上げる方法です。
積み上げるだけなので耐久性は比較的弱いですが、見た目は自然で雰囲気が良いのが魅力になります。
崩れる恐れがあるので、高さ1m前後の擁壁として採用されることが多いです。
対して練り石積み擁壁は積み上げた石の間にセメントを入れる工法で、空石積み擁壁よりも比較的強固な造りになります。
セメントによって石同士が連結され、人気の高い工法です。
ただし、地震や劣化によってヒビが入ると、まとまって崩れる恐れがあります。
土地の擁壁工事における費用
擁壁工事をするために、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
業者によって費用が異なりますが、工事する現場の状況によっても費用は大きく変動します。
また補助金や擁壁工事の注意点も解説するので、参考にしてみてください。
費用
擁壁工事の費用は、1m2当たり5万~10万円です。
工事をする場合、どれくらいの面積を工事するのかを確認しておくと良いでしょう。
おおよその見積もりを立てるために、長さ×高さで調べれば工事範囲がわかります。
ただし、工事の費用は現場の状況によって異なるので注意してください。
たとえば工事現場までの道のりが狭かったり、勾配がきつかったりすると費用が高くなります。
理由は平坦で広々としている現場に比べて、工事の時間や運搬費、人件費がかかってしまうからです。
もし道が狭すぎるとトラック1台で道を塞いでしまうなら、通行制限をして車を誘導しなければなりません。
擁壁工事は対策がほぼ不可能なので、現場諸経費や重機回送費にどれくらいの費用がかかるか把握しておきましょう。
補助金
擁壁工事をおこなうと、各自治体から補助金をもらえます。
補助金の制度は各自治体で異なるので、実施されているか、いくらまで出してくれるのかなどを確認しましょう。
たとえば東京都の場合だと東京都宅地耐震化推進事業が交付要綱を定めていて、工事費用の半分を助成してくれます。
ただし上限は500万円までなので、1,000万円以上の工事費用がかかるとお得です。
補助金は補助金交付申請書と関係書類を添付して、知事に申請してください。
知事が適当と判断すれば、審査が通って補助金を受け取れます。
注意点
擁壁工事をするときは、中古住宅の購入や建て替えに注意してください。
がけ条例によって擁壁工事をする際は、各自治体に申請しなければならない決まりがあります。
しかし、申請をせずに擁壁工事が完了して、がけ条例の基準を満たしていないと再工事が必要です。
再工事になってしまうと撤去作業のために擁壁を取り壊し、費用がさらにかかります。
基準を満たしているかどうかは重要なポイントなので、工事を依頼する前に確認しておきましょう。
また、擁壁のコンクリートは寿命が50年ほどで、中古住宅の築年数や工事をおこなった日を確認する必要があります。
崩れてしまうと擁壁の耐久度が低下するため、不安な方は施行会社に確認してもらいましょう。
まとめ
土地の擁壁工事とは、高い所にある土地が低い土地へと崩れないようにする工事です。
工事は鉄筋コンクリート、コンクリートブロック、石積みの3種類があります。
費用は1m2当たり5万〜10万円ですが、補助金があるのでコストを抑えられので嬉しいポイントです。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら