ここ数年、空き家から発生する火災が社会問題となっています。
相続などにより、空き家を所有しているという方は多いのではないでしょうか?
そのまま空き家を放置していると、最悪の場合、損害賠償責任が問われるようなトラブルに発展する可能性があります。
この記事では、空き家から発生する火災について解説します。
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なぜ、人が住んでいない空き家で、火災が発生するのでしょうか?
それには、「空き家」だからこその理由があります。
まずは、なぜ空き家で火災が起こるのか、その原因について知っておきましょう。
放火
空き家の火災原因で、もっとも多いのが「放火」です。
放火魔は、人の気配がなく、侵入しても気付かれにくい家を狙います。
誰も住んでおらず、人の目につきにくい空き家は、放火魔の格好の餌食となってしまうのです。
ここで、年間どのくらいの放火が起こっているのか、見てみましょう。
消防庁の発表によると、令和2年に発生した住宅火災は10,564件となっています。
そのうち、放火が674件、放火の疑いが308件で、トータル982件にも及びます。
こうして見ると、放火被害は他人事でないということがわかるでしょう。
とくに空き家の場合は、侵入しても気疲れにくく、人が住んでいる住宅よりも放火のターゲットにされやすいのです。
タバコのポイ捨て
空き家火災の原因として、放火に次いで多いのが、第三者によるタバコのポイ捨てです。
管理の行き届いていない空き家は、家周辺の雑草が伸び放題であることが多く、物を捨てても気付かれにくい状況になっています。
そのため、不法投棄やポイ捨ての現場にされやすいのです。
捨てられたタバコに火が付いていると、それが雑草や不法投棄されたゴミに燃え移り、火災が発生する原因となってしまいます。
ガス漏れなどによる爆発
ガス漏れなどによる爆発も、空き家で火災が起きる原因の1つです。
通常、人が住んでいる住宅では、においでガス漏れに気付くはずですが、空き家の場合そうはいきません。
とくに、定期的に管理がされていない空き家では、給湯器や部品の劣化が進んでいることが多いでしょう。
そのため、劣化した部品からガス漏れが発生し、爆発が起きる可能性があります。
配線機器のトラブル
ガス漏れと同様に、配線機器のトラブルに気付かず、放置したことで漏電してしまい、火災に発展するケースがあります。
また意外なことに、ねずみなどが配線をかじり、そこから出火することもあるのです。
本来、ねずみが配線をかじっただけで、すぐに火災が起こるわけではありません。
しかし、管理が行き届いていない空き家では、ゴミやほこりが溜まったままになっていることが多く、そこに引火して火災の発生に繋がるのです。
空き家で火災を発生させないための対策
空き家から火災が発生する原因はさまざまですが、すべてに共通しているのは「管理が行き届いていない」ということです。
どの火災原因も、空き家の管理を徹底しておこなっていれば、防げる可能性は十分にあります。
使う予定のない空き家は、「売却する」「賃貸に出す」「解体する」のいずれかをおこなうことが望ましいのですが、これらがむずかしいという方は、以下の対策を講じてみてください。
照明を取り付けるなどし、家の周辺を明るくする
前述したように、放火魔は人の気配がなく、侵入しても気付かれにくい住宅を好みます。
そこで、放火魔のターゲットにされないよう、空き家の周辺にライトを設置して、明るくするという方法がおすすめです。
たとえば、人感センサーライトや、決まった時間になると点灯するライトなどがあります。
なかでもおすすめなのが、ソーラーパネル式の人感センサーライトです。
太陽光をエネルギーとするため、電池交換の手間がかかりません。
より防犯性を高めたければ、防犯カメラ付きのライトを選ぶこともおすすめです。
管理人の存在を示す
「この空き家はきちんと管理されている」ということを周囲にアピールすることで、放火や不法侵入を防ぐ効果があります。
具体的な方法としては、空き家の敷地入り口に、管理する不動産会社の名前と、電話番号を記載した看板を立てます。
見回りがくるかもしれないという警戒心から、不法侵入や不法投棄をしにくくなるでしょう。
また、基本的なことですが、門扉や玄関、窓の戸締りも忘れずにおこなうことが大切です。
ご近所さんに連絡しておく
ご近所さんに「隣の空き家でなにか不審なことがあれば連絡をください」と伝えておくこともおすすめです。
その際は、緊急連絡先を伝えておくと良いでしょう。
一声かけておけば、外出の際に外から簡単に確認するなど、ご近所さんも意識してくれるようになるかもしれません。
また、コミュニケーションを取っておくことで、空き家が原因で起こる近隣トラブルを避けることにもつながります。
家の周辺を片づける
管理されていない空き家では、家の周りに雑誌やゴミ、大きな荷物などが散乱しているケースが多いです。
このような空き家は、ゴミや雑誌を狙って、そこに放火される可能性があります。
雑草が生い茂っている場合も同様です。
放火魔のターゲットにされないよう、住宅の周辺はきれいに片付けるようにしましょう。
また、庭に物置があり、そのなかに燃えやすいものがある場合は、鍵をかけておくことが大切です。
空き家で火災が起きた際の持ち主の責任
ここまで、空き家で火災が発生する原因と、対策方法について解説してきました。
それでも火災が発生してしまった場合、その責任は誰が負うことになるのでしょうか?
ここでは、空き家で火災が発生した際の、持ち主の責任について解説します。
他人による放火などは損害賠償責任を負わない
もしも空き家で火災が起き、隣の住宅に損害を与えてしまった場合、気になるのは、持ち主が責任を負うのかどうかではないでしょうか?
一般的に、他人の放火によって起きた火災は、損害賠償責任を負わないとされています。
これには失火責任法にて、「重過失により発生させた火事でない限り、損害賠償責任を負わなくても良い」と定められているためです。
とはいえ、放火の場合でも、持ち主に重過失があると判断されれば、損害賠償責任を負うことになります。
どんな場合に重過失と判断される?
持ち主に過失があると判断されるのは、どのようなケースでしょうか?
それは「火災の発生が予測できたのに、そのまま放置して対策を講じなかった場合」です。
たとえば、以下のようなケースがあります。
●配線がねずみにかじられた形跡があるにも関わらずそのままにした。
●空き家の管理が悪く、常に誰でも侵入できるような状態のまま放置した。
このようなケースでは、持ち主に火災の原因があるとして、損害賠償責任を負う可能性が高くなります。
いずれにしても、きちんと管理していれば防げることです。
トラブルを予防するためにも、空き家は放置せず、しっかり管理をおこなうことが重要です。
空き家でも火災保険に加入できる?
住宅火災のリスクに備えるために加入するのが「火災保険」ですが、空き家でも加入することはできるのでしょうか?
基本的には、空き家であっても火災保険へ加入できます。
しかし、審査条件が厳しく、保険料も割高なケースが多いです。
また、空き家といっても、きちんと管理されていることが前提です。
そのため、廃屋のような空き家はそもそも契約自体できない可能性があります。
まとめ
今回は、空き家の火災について解説しました。
空き家で火災が発生すると、状況によっては損害賠償責任を負うことになります。
また、空き家は所有しているだけで、税金や維持費などのコストがかかります。
今後住む予定がなければ、早めに売却することがおすすめです。
空き家を取得して困っている方や、売却したいとお悩みの方は、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。
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