室内をより暖かくするための断熱性能には、等級というものが存在します。
冷暖房器具の効果を維持したいときに役立つのがこの断熱性能です。
今回は建物の断熱性能の等級とZEHやHEAT20の二つについてご紹介していきます。
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断熱性能等級とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称「品確法」)を基に国が定めた基準です。
現在の最高等級は4となっています。
一つ下の等級3と比べても断熱レベルが非常に高く、その性能が証明されています。
断熱性能等級を判定するためには「外皮平均熱貫流率(UA値)」というものを使います。
寒い地域暑い地域によって数字は異なり、等級4の値も変わってきます。
断熱性能等級とは?
断熱性能を正確に測るために定められた基準で、等級4までいくと長期優良住宅やフラット35を取得できる基準となります。
断熱性能等級の基準とは?
断熱性能等級を判定するために使用する、外皮平均熱貫流率(UA値)とは、家全体から逃げていく熱の量を屋根や壁床や窓といった外皮の面積の合計で割った数字となります。
逃げていく熱量を外側の面積で割るといったイメージです。
当然、この基準は寒い地域や、暑い地域で異なっており、地域1と2が北海道、地域3が東北の北部といったように変わってきます。
全部で8まで地域が分けられています。
それぞれの地域の断熱性能等級4の基準UA値は、北海道の地域1,2であれば0.46W/㎡となり、宮城県のような東北南部であれば0.56W/㎡が基準値となります。
現段階で等級4が最高値となっているため、これ以上の等級5は存在していません。
断熱性能等級4と1の違いって?
断熱性能等級をわかりやすくするために1と4を比較してみましょう。
断熱性能等級1というのは、ほぼ断熱がされていない無断熱の状態です。
このように何の対策も取られていない状態で、冷暖房を使用する場合、1年間の冷暖房費はなんと133,000円にものぼるということが、国土交通省のデータで明らかになっています。
ここに断熱性能等級4の性能が入るとその1年間の冷暖房の使用金額は52000円と半額以下になっていることがわかります。
このことからも断熱性能等級4の性能の良さがわかります。
建物の断熱性能のZEH基準について
これに加えてZEHというのは、十分な断熱性能を兼ね備えており住宅のエネルギーは太陽光といった再生可能エネルギーを導入しています。
一次エネルギーの年間消費エネルギーの収支をゼロにすることを目的とした住宅のことを指しています。
ZEHとは?
このZEHというのは十分な断熱性能をもっているため、冷暖房に使うエネルギーは必要最低限となり極力電気エネルギーを消費せずに部屋を快適に保つことができます。
さらにそこに使われるエネルギーも住宅で太陽光発電などで作られるため収支がゼロになります。
高い性能を持った断熱材に加え高い基準値の設備環境を整えているというのがこのZEHです。
エネルギーを上手に使いより効率的により快適に過ごせる住宅を目指しています。
今後の義務化は?
現在の断熱性能は等級4が最高値となっていますが、このZEHはそれを超えようとしています。
とはいえZEHの導入はまだまだ少ないため、こうした基準を満たした住宅が義務化されたり普及されることによって等級が一つ増えたりというのはまだまだ先になりそうです。
というのもどうしても性能が高くなればそれだけ住宅は高額になってしまい購入者の予算に合わなくなってしまうことが考えられます。
2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すというのが政府の目標にありますので、これから年月が経つにつれて義務化されていくのかもしれません。
導入がすすむとどうなるの?
自宅で作ったエネルギーを効率よく使えるZEHは導入が進めばそれだけ、地球温暖化対策にもなります。
まだまだ義務化をしたり、新築すべてに導入するのは難しい性能ではありますが、基準を満たした住宅は確かに高性能です。
エネルギー効率の良い住宅を作って、地球環境を守ることができます。
また地球環境の配慮と言うと規模が大きく感じますが、もちろん実際に住宅に住む人にも大きな恩恵があります。
現段階ではたしかに住宅自体の金額が高くなってしまいますが、こうした基準を持ち日々使う電気料金が安く済むことで、節約にも繋がっていきます。
生活の負担も少なくなっていくので、エネルギー効率が良い住宅というのは無駄な出費も減らすことができます。
建物の断熱性能のHEAT20とは?
HEAT20とは、団体名で、2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会の略称です。
この団体は、建築関係者や企業をはじめとした、断熱技術などに特化している大学教授や専門家といったメンバーで構成されています。
このHEAT20に関しては国の基準を超える新たな基準を設けています。
より高い技術をもってして住宅をつくるのが目的です。
住宅の断熱性能や日光の活動などといった建築的な要素と冷暖房といった設備的な要素、そして太陽光発電といった省エネ要素をバランス良く組込み住宅を作ります。
現時点で最高レベルの品質基準のHEAT20とは?
HEAT20では三段階に定義づけています。
一つ目にはG1といって10℃を下回らない性能、二つ目にはG2といって13℃を下回らない性能、三つ目にはG3といって15℃を下回らない性能といった具合です。
このように数字が大きくなるにつれて断熱性能も高くなっていきます。
現段階の最高等級にあたる4の基準値と比べると、はるかに高い水晶水準を提唱しています。
特別寒い地域で住宅の建築を検討しているのでしたらこういった基準を入れている住宅を検討してみても良さそうです。
HEAT20が目指しているもの
HEAT20は国の基準をはるかに厳しい数字で設定されていて、その基準に沿った住宅づくりがされています。
民間団体が作った基準とはいえ、専門家たちが集まって定義づけたその数字は信憑性の高いものとなっています。
暑い地域なら一度冷やした部屋が暖まりにくく、寒い地域なら一度温めた室温が下がりにくくなるという快適な性能です。
性能が高いと当然ながらエアコンの使用回数や必要な電気量も変わってきます。
ごく少ない電気量で快適な空間を作れるため、HEAT20では無駄なくエネルギーを支える住宅を目指しています。
新しい住宅を建築するときには断熱性能も考慮して選んでみても良さそうです。
導入が進むとどうなるの?
HEAT20もよりエネルギー効率がよく人が住宅の中で快適に過ごせる環境を作り出そうとしています。
断熱の性能の高い基準値は、特に寒い地域や特別暑い地域、気候変動が激しい地域などで大活躍すると思われます。
近年都市部では異常な猛暑となることも多く、こうした住宅の需要も高まってきています。
導入することで、より少ないエネルギーと費用で快適に過ごせる住宅を増やしていきます。
まとめ
建物が持っている断熱性能とは、その住宅から逃げようとする熱を住宅の外側の面積で割ったものです。
基準の値は、地域によっても異なり、高い性能を持ってるものが等級4と言って現在はトップクラスの性能です。
しかし企業もより高性能な住宅をつくるために、新たな基準を設けZEHやHEAT20といったより断熱性に優れた住宅も出てきています。
これから住宅の建築を検討しているのであれば参考にしても良さそうです。
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