土地などの不動産などを相続する場合、その財産は一定の評価に基づいて相続税が課税されます。
相続財産の中でも特に多いのが「土地」ですが、一概に土地といっても形状や用途などはさまざまで、たとえ同じ面積の土地であっても相続税評価額は同じというわけではありません。
今回は土地の相続を予定されている方に向けて、セットバックが必要な土地の相続税評価額算出方法をご説明します。
相続する土地の相続税評価額 「セットバック」とは?
セットバックとは建築基準法に則った道路整備のことで、土地が接する道路の道幅を確保するために土地を後退させることです。
建築基準法では、建物を建築する場合は原則として道路幅4m以上(地域によっては6以上)の道路に接していなければならないと定められています。
この接道義務には、災害時や緊急時を想定して消防車などが通れる道を確保するといった防災上の理由があります。
しかし、昔の基準で整備された狭い道路は全国各地まだ多数あるため、相続する土地が要セットバックであることも珍しくありません。
相続する土地がセットバックする必要があるのかについては、現地調査をしたうえで管轄の市役所などの建築課で確認すると良いでしょう。
相続する土地の相続税評価額 要セットバック土地の算出方法
次に、相続する土地がセットバック必要な場合の相続税評価額の算出方法について解説します。
セットバックに該当する土地の評価額は接道する道路が私道として使用される場合は自用地評価額の30%、公道の場合はゼロとなります。
つまり私道として使用される場合は70%控除されるので、算出方法は、「セットバックが不要な場合の土地の評価額」—(「セットバック対象部分の評価額」×0.7)です。
たとえば、面積300㎡、評価額6,000万円の土地を相続しそのうち30㎡をセットバックする場合を想定して実際に計算してみましょう。
まずセットバックに該当する土地の割合を計算すると、セットバックする面積(30㎡)÷全体面積(300㎡)=0.1、つまり全体の10%はセットバック対象ということになります。
全体の評価額から10%がセットバック対象の土地の評価となるので、6,000万円×10/100=600万円がセットバック部分の評価額です。
そして算出式に当てはめると6,000万円-600万円×0.7=5,580万円になります。
この想定では、セットバック部分の評価額の70%である420万円が控除されたことになります。
セットバックするということは、単純に建物を立てられる部分の土地が減り、車の駐車や門扉などの設置はできません。
土地の用途が限定されるため、当然不動産としての評価も下がり相続税評価額も減額されというわけです。
まとめ
セットバックが必要な土地は持ち主にとって不利になる分、評価額が下がるため場合によっては相続税を大幅に減らすことができます。
長い間所有されていた住宅や土地を相続する場合は、覚えておくと良いでしょう。
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